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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第74章 誰がために…


それほどに相手が油断ならない者だと、ピリつく肌で感じ取る。

「蘆屋道満。鬼殺隊は貴様のような痴(し)れ者に屈しはしない」

いつになく強い口調で言葉を紡ぐ白藤に対して。

「何と世迷言を。其方らが今から倒す相手は鬼の始祖、鬼舞辻無惨であろう」

口許だけの笑顔を浮かべる蘆屋道満の睨み合い。

口端を持ち上げて笑う男の所作が、美しいはずなのに作り物めいているのは、やはり中身と釣り合っていないからなのだろう。

誰もが予想だにしない男の登場で、その場の者達が
一同に動きを止め、思考に迷いが生じた。

蘆屋道満はそれにつけ込むことにした。

「私が其方の言う蘆屋道満という男だという証拠がどこにあるのだ」

からかい気味に尋ねる蘆屋道満に。

「姿形を変えられるのは鬼のみ。逆を返せばそれ以外は全て人間。ということでしょう?」

「成程。どうにも……知恵がついたようだな。小娘風情が……」

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