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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第74章 誰がために…


「いい加減、飽いたな……」

「誰だ、貴様、は……!?」

不意打ちを喰らい、愈史郎が鳴女から手を離してしまう。

今の攻撃はどこから。

「鬼舞辻無惨。いつになったらしまいになるのだ?鬼の王の座にある貴様が人間を屠(ほふ)るなど容易いことであろう?」

「鳴女?」

「いい加減、琵琶の女に化けるのも飽いたところでな。無惨、其方(そなた)と同じ顔にしてみたが、存外悪い気はしないな」

「無惨が二人?」

「違います、あの男は……」

「白藤?」

「彼奴(あやつ)は蘆屋道満。私から全てを奪った男です……」

「これは、驚いた。其方。まだ生きていたのか、白藤……」

やおら扇を開き、口元を隠しながら男はクツクツと笑う。

「無惨に白藤。実に久しいな。私の顔を忘れずにいたとは。いやはや恐れ入ったぞ」

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