第74章 誰がために…
ガラガラと崩壊していく無限城の中で鳴女を追い詰めた宇髄を始めとした四名が無惨を視認。
勢いもそのままに柱を中心とした波状攻撃をしかけていく。
折りよく合流出来た煉獄、炭治郎が加わり、無惨の魔の手から珠世を奪取することに成功するも、彼女の体が散り散りになっていく。
症状を止める術がなく、周囲を見渡した炭治郎が冨岡と白藤を見つけ、手を振ろうとした。
その瞬間、煉獄が炭治郎の隊服の詰襟を掴んで体ごと引っ張った。
ゴトリという音ともに目の前で煉獄の腕が落ちる。
自分のせいだと己を恥じた炭治郎だが、瞬きひとつの間に煉獄の腕が戻り、代わりに白藤の腕が落ちた。
その事実に炭治郎もまた悟る。
白藤は自分達の傷を肩代わりしているのだと。
彼女はいつでも鬼殺隊に貢献してくれていたのだ。