第14章 好きって何ですか?$(冨岡裏)
「うにゅ…あ、冨岡しゃん。羽織れきました…」
ごしごしと目元を擦る白藤に。
「無理をさせたな…ゆっくり休め…」
ぐきゅう。
珍しく腹の虫がなったのを自覚して、白藤は赤面した。
「?」
「お腹空きました…冨岡さんも何か食べますか?///」
「別に…」
からら。かぱ。
厨の戸棚を開けて食材を見繕う。
頂き物の塩漬けの鮭を見つけた。
野菜は壺に保存している物を古い順に使うとして……
「うーん、冨岡さん。鮭大根とか如何、ですか?」
心なしか目が輝いていたような。
「すぐに用意しますね」
トントントントン。
安定した包丁の音に、本当に準備しているのだと気付かされる。
数十分後。
「はい、どうぞ」
コトと置かれた器には本当に鮭大根が用意されていて。
「お口に合えば良いんですが…」
モグモグと咀嚼する冨岡の横顔を眺めながら、自らも箸を進める。