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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


「ん……///」

瞼がほんの少し、震えるだけで。

舞山の心音が跳ねる。

ドクン、ドクンと脈打つように。

白藤の白くなった髪に触れる。

ソッと触れた指先から伝わるしなやかな質感。

儚げに咲く白い蓮華のように、艶やかに薫る。

私は華に誘われる羽虫のようだ。

少しでも汗を拭ってやろうと、手拭いを手にし、白藤の首筋に触れた。

肌に手拭いが触れたためか、彼女が身じろいだ。

乱れた着物から彼女の白い肌が顔を出す。

ばくばくと煩く鳴り響く心音を感じながら、舞山は彼女に手を伸ばす。

そこからは、よく憶えていない。

記憶のない間に何をしたのかは、次に眼を覚ました折に自身と彼女が裸で同衾(どうきん)していた事実を認識してからだ。

二人で共に寝床にしていた布団には、彼女のものと思われる少量の赤黒い穢れと、己が吐き出したであろう、乾いた白濁。

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