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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


蘆屋道満は鳥の式を通じ、舞山をつぶさに監視していた。

この男は放っておけば、そのまま鬼となるだろう。

さて、この娘をどうしようか。

道満は口許に手を当て、しばし思案する。

この娘、薬師の薬で体に変調があったと聞いていたが、目覚しく変わったのは髪の色だけで、他は特段そこいらの女性と変わりは無い。

道満の師匠が囲っていた女性よりも、この娘は若く美しい。

檻に閉じ込めた白藤の顔を道満はしげしげと見つめる。

若く張りのある肌。

色が抜けてしまってはいるがたおやかな髪。

顔つきも少女から女性に変わる頃というか……

情を通じれば、花咲く個体かも知れぬ……

道満は白藤にとある薬を服用させた。

この顔が朱に染まる様を見てみたい。

あぁ、そうだ。

いっそ、このままあの男の元へ返そう。

そうすればきっと、あの男は鬼となる。

この娘も、もしかすれば……

面白いものが見られそうだ。

道満は袖の下で含み笑いをした。

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