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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


舞山は薬師の作業机に置いてあった包丁を手にした。

結局、私の体を治すこともできない。

この薬師も、今までの出来の悪いやぶ医者たちと同じだ。

皆、口を揃えて言うのは、二十歳を待たずに死ぬということ。

ならばいっそ私の手で全てを壊す。

何一つなし得ないまま死ぬのは嫌だ。

せめて、最後に……

白藤に。

彼女に伝えたい事がある。

美しくなった自慢の女房に。

叶わぬ想いであったとしても。

私が彼女を恋い慕っているという事を。

まだ、言えていない。

舞山は自らの想いを、彼女に伝えたかった。

だからこそ………

白藤に会いたい。

舞山の想いはそれだけだった。

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