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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


早くあの薬師を見つけなければ。

白藤を取り返すんだ。

彼女は私の所有物だ。

私の、断り無しに白藤に手出しするなど、許さない。

舞山の拳はわなわなと震えていた。

「何処だ!」

憤る舞山の前に薬師が現れた。

「これは産屋敷様」

薬師………

「白藤を返せ!!」

「どうなされたのですか?」

憤る舞山を前に薬師もたじろいだ。

「お前が白藤を拐かしたのだろう!!」

舞山はまるで人が変わったように薬師を糾弾する。

そうだ。

いっそ、全てを壊してしまえ。

舞山の中で何者かの声がした。

その声は不思議な響きを帯びていて、まるで歌うように舞山の衝動を駆り立てるのだ。



『全て、壊してやる』




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