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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


「ゆくゆくはそうなりたいと思っていた頃もありましたが……今は何も……」

「そう、ですか。……深夜に賊が入り込んだ可能性はありませんか?」

深夜は私が起きている。

白藤が襲われるはずが無い。

「ありません」

けれども、もし本当に賊が彼女を………

そう考えた矢先だ。

舞山の脳裏の片隅に。

そうだ。

「私の元に頻繁に訪れる薬師がおります」

「薬師?」

「私の薬を処方に来ているのですが、よもや彼奴が……」

「詳しく聞かせて頂きましょうか」

舞山は薬師のことを道満に伝えた。

薬師が蘭学者であること。

西洋朝顔を用いて薬を研究していること。

舞山は薬師の年齢、人相、あらゆる事を事細かに説明した。

道満は口元を閉じた扇で隠しながら静かに頷く。

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