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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


死した魂や物の怪さえ操る程の霊力と、混沌入り交じる朝廷へと意見する胆力。

陰陽師。

道長の近くにいる青年が恐らく安倍晴明だろう。

蘆屋道満は何処だ?

官吏達が短冊を手にし、歌合わせ(短歌作り)をしようと話し合う中、舞山は烏帽子を被った陰陽師達に目を向ける。

安倍晴明のやや後方にいる男性が陰陽頭(管理職)の賀茂保憲。

保憲の父である賀茂忠行が安倍晴明の師であることから、あの二人は親しい間柄なのだろう。

「もし」

無惨は手近にいた陰陽生(雑用係)に声をかけた。

「蘆屋道満殿はどちらに居られる?」

「道摩法師ならあちらに」

「道摩法師?」

「道満殿がそう呼ぶようにと。道摩法師にご用でしょうか?」

「ええ。私用でお話を」

「では、お声かけいたしますのでお待ちください」

陰陽生は一人の青年に声をかけた。

ああ、あれが蘆屋道満か。

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