• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


何故……

白藤は記憶を遡る。

数百年前の出来事だ。

継国兄弟と出逢うよりも、もっと以前に。

私はこの男と会っている。

「白藤………」

白藤は白昼夢の中にいた。

「お兄様、お帰りなさいませ」

「ただいま、白藤」

墨染めの衣を纏い、烏帽子を被っているこの方が私のご主人様である産屋敷舞山様。

「体調は如何ですか?どこか具合がお悪いようでしたら、薬師様を……」

私はこの屋敷の使用人の女房として奉公に来ているのだ。

「大丈夫だ。心配せずとも良い……」

私は八つの頃からこちらにお世話になっている。

舞山様とは歳が三つ違い。

私がこのお屋敷に来た時に元服が執り行われ、舞山様は内裏(だいり)へ出仕(しゅっし)するようになった。

/ 1833ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp