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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ


「……………」

言葉が出なかった。

何て声をかけたらいいのか、分からなかったから。

「白藤………」

そうだ。

白藤さんを止められるのは冨岡さんだけ。

「冨岡さん……」

「すまない、任せていいか白藤」

「はい」

「え?」

炭治郎は驚いた。

冨岡さんは白藤さんを止めに来た訳じゃなかったのか?

「だから、お前はそのまま前に出るな」

そう言って冨岡は刀を構えた。

そうして炭治郎も気配を察知した。

無惨の鞭のような腕を冨岡が打ち潮で勢いを相殺した。

すごい。

あ、でも、そうか。

冨岡さんは白藤さんが必要以上前に出ないようにしているんだ。

「炭治郎、動けるか?」

義勇さん、貴方はずるい。

「炭治郎?」

勝てる訳ない。

「はい!!」

でも。

この想いは消せない。

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