第73章 弦音に捕らわれぬ事勿れ
その後、戦線へと出た玄弥は新たに手に入れた黒死牟の髪を飲み込み、自分の体と銃を融合させた彼は時透が黒死牟を抑え込んだのを見計らい、銃弾を撃ち込んだ。
玄弥の血鬼術により黒死牟の体にめり込んだ銃弾はそこに根を宿し、体の動きを封じた。
これにより、不死川、悲鳴嶼が波状攻撃を開始。
頸を落とすことに成功し、安堵したのも束の間、たちまち頸を再生した黒死牟に周囲は落胆する。
だが、あまりにも化け物じみた形相に変わった黒死牟は相手の刀身に映る自身を見て戦意を喪失。
そうして彼は在りし日の、人間の頃の姿に戻った。
冨岡は黒死牟の戦意が無くなったのを感知し、干天の慈雨でその頸を斬った。
白藤が黒死牟の頸を抱き抱え、何か話している。
久方ぶりの再開が戦場で敵同士とは、皮肉なものだ。