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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


瀧上の体は自分の体とあまり違和感が無いように思えた。

「瀧上、水の呼吸の隊士は増えそうか?」

巌勝と呼ばれた青年に声をかけられ、応じる。

「あぁ。剣士が扱いやすい技のようだ」

「そうか……」

「巌勝様、縁壱様はまだ、お帰りにはなって居ないのですか?」

「今回は縁壱とは別の任務だったからな。仔細は分からぬ……」

巌勝は白藤と話す時、ほんの少しだけ目尻が下がる。

瀧上の目を通してそう映るのだ。

他の者も気付いている者もいるだろう。

「瀧上!」

ぼーっとしていたためか、いつの間にか数人が集まっていることに気づかなかった。

「すまん……」

「瀧上、まだ寝ぼけているのか?」

声をかけてきたのは金糸の髪に紅蓮の差し色。

「煉獄……」

「ハハハッ!!それ瀧上、巌勝を見てみよ!!あんな白けた顔をしながら、藤姫の手を離さんとせんのだ。本当に彼奴(あやつ)は不器用だな。早く己の気持ちを認めてしまうが良いだろうに……」

「……………そうか」

「瀧上も藤姫を好いているのか?」

「煉獄は?」

「俺も好いている!だが彼奴ほどでは無い」

「巌勝様」

「あの顔を見るに藤姫とて……」

そうだな、本当に。

好いているのだろう、両者共に。

「そうだ、瀧上。この後……」

声が遠くなる。

光が差し込んでくる。

「さん、義勇さん!!」

「…………白藤」

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