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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


白藤が目尻に涙を溜めて俺の顔を覗き込んでいる。

「良かった。目が覚めたのですね……」

ポタリと冨岡の頬に一雫が落ちる。

「………泣くな」

冨岡が右手を動かして、白藤の目尻の涙を拭う。

「はい」

「イチャこらしてんなよォ、冨岡ァ」

声のする方へ視線を向ければ、腹部に真新しい包帯を巻いた不死川が視界に入った。

「不死川………」

「不死川様、まだ動かない方が……」

「こんな傷慣れてらァ……悲鳴嶼さんも動いてんだァ、休んでらんねェよ……それより、白藤も無茶すんなァ……」

出血の止まらなかった腹部の傷。

どういう訳か右手の藤の花の紋様が光り、傷が消えたのだ。

恐らく白藤の血鬼術なのだろうが。

「倒れんなよォ?白藤」

「はい」

「向こうに出口があるみたいだね」

「時透。もういいのか?」

「はい。白藤さんのおかげです」

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