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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


時透は意を決し、黒死牟との距離を詰める。

時透の顔に痣が浮き出る。

この痣の力を使って、この鬼を食い止める。

「霞の呼吸 陸ノ型 月の霞消 改『熾突(しとつ)』」

時透は本物の霞のように黒死牟の懐に入り込み、そうして、自身の刀を黒死牟の左下腹に突き立てた。

時透は黒死牟を逃がすまいと力を込める。

それが、刀にも伝わったのか、時透の日輪刀の刀身が赫く染まり始める。

何故だ?

動けぬ……

それどころか、灼け付くような痛みがジワジワと広がっていく。

時透が作り出した好機に、いち早く反応した玄弥は黒死牟に南蛮銃を向ける。

『撃っていいから』

やる、やらなきゃ駄目なんだ。

「ああああ……」

玄弥が南蛮銃を構え、撃つ。

ガン!

ガガガガガ!!

刀で押し返したにも拘わらず、体にめり込んできた銃弾。

だが、一発目は銃弾ではなく、悲鳴嶼の数珠玉。

一瞥(いちべつ)すれば悲鳴嶼にも痣が浮き出ている。

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