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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


何だ?

予想外の事が起きた。

黒死牟は困惑する。

赫い刀、痣者。

継国の末裔が刀を赫くし、岩の男は俺の視界を謀(たばか)った。

もしかしなくとも、視えているのか。

無意識下のこの視界が。

何もかもが透き通る、この世界が。

ズズズズズ。

今度は何だ?

打ち込まれた銃弾が、形を変えていく。

これは、彼奴(きゃつ)の血鬼術か?

まるで樹木のように銃弾が私の身体をそこへと縛り付ける。

まるで磔(はりつけ)のようになった俺の身体を鬼狩り共が狙い、技を放つ。

左腕は岩の男の鉄球に砕かれた。

何故だ。

何故、日の呼吸を使えないただの俗物共にここまで追い詰められるのだ。

鳩尾(みぞおち)から旋毛(つむじ)まで突き抜けるような焦燥。

生命が脅かされ、体の芯から凍りついていく。

忌むべき、そして懐かしき感覚。

これこそが、四百年振りの『死の恐怖』。


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