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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


「そんなこと……」

「躊躇ってる余裕なんか無い!この状況見てて分かるだろ?玄弥、頼む」

玄弥の脳裏に炭治郎の声がする。

『一番弱い人が一番可能性を持ってるんだよ』

炭治郎。

『敵が警戒できる絶対数は決まってるんだよ。
だからあとはそれを敵がどう割り振ってるかなんだ。
敵は強い人をより警戒していて壁が厚いけど、弱いと思われている人間であれば、警戒の壁が薄いんだよ。
だからその弱い人が予想外の動きで壁を打ち破れたら、一気に風向きが変わる。勝利への活路が開く』

お前はすげえよ。

この局面になって気がついたんだ。

お前の言っていた事は、きっと本当なんだ。

あとは俺がそれをやれるかどうかにかかっているんだ。

ダメだ、迷うな、俺。

こんなにボロボロな時透が時間を稼ぐと言っているんだ。

俺だって………

やれることをやるんだ。

「分かった」

やるんだ、動け、俺の体。

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