• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


はっ、と我に返ったら、玄弥は自分が白藤に噛み付いていたことを自覚した。

バッ。

何とか体を離す。

「不死川弟!!」

「え!?冨岡さん!?」

目の前に現れた冨岡に驚く玄弥。

「白藤、怪我は!?」

「駄目ですよ、義勇さん。アチラに戻って下さい」

「しかし………」

「お願いです、義勇さん」

「っ……」

冨岡さんの顔に初めて人間の感情を見た玄弥は目を見張った。

こんな表情(かお)するのか。

いつもの冨岡からは想像出来ない、余裕のない表情だ。

「私は心配ありません。それよりも、あの人を、あの鬼を倒して下さい……」

「…………それで、いいのか?」

「はい。私の想い人は…貴方だけです」

「………分かった」

再び前線へ向かう冨岡の背を見送って、白藤は隣りに居る玄弥に声をかける。

「玄弥君」

「何ですか?白藤さん」

「一つ、お願いがあります」

「お願い、ですか?」

「えぇ。今の戦闘、数は圧倒的に鬼殺隊が有利なのに黒死牟の首を斬れない膠着(こうちゃく)状態です。ですから……」

『囮(おとり)になってもらえますか?』
/ 1832ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp