第72章 邂逅、別離
『黒死牟。柱は何人倒した?まだこちらには連れてくるな』
何だ、コレ……
黒死牟の刀を食ったら聞こえ始めた。
おぞましい声。
これが、無惨の声なのか?
ドクン。
どうなってんだ、俺の体……
このまま、鬼になっちまうのかな?
白藤さん?
腕なんか出してどうしたんだ?
噛み砕け?
何言ってるんだ、そんなこと出来るわけない。
でも、何でだ?
スゴく美味そうに見える。
あの細い腕に噛みつきたい。
ガブッ。
「っ……」
あれ?
どうなったんだ?
口の中に花の香りが立ち込める。
コレは、藤の香り?