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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


「っ……」

白藤の顔が痛みに歪む。

それでも、声を殆ど発さないのは玄弥の心情を慮(おもんぱか)ってのことだろう。

鬼化を中和させる効果の望める部分と考えた時に思いついたのが、白藤自身の血液。

とはいえ、血液は直接飲ませることは基本困難である。

故に、噛みつかせた。

腕ならば再生は容易だからだ。

痛みは別として。

噛み付いたまま、血を吸われている。

……出来れば、一気に噛み砕いて欲しかったが……

痛みが走る片腕。

痺れがまわり始めるも、歯を食いしばって耐える。

戦闘中の彼らにも白藤の血の匂いが漂ってきた。

珠代の魔香に近いその香りは、藤の花の匂いによく似ているもの。

いち早く反応したのはやはり冨岡だった。

「白藤!!」

冨岡の反応を見て、他の柱達も一瞬意識が黒死牟から逸れた。


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