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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


誰だ?

別れた妻の声とも違う。

いや、忘れただけなのかもしれない。

俺は、妻にも子供にも存在にふるまっていたから。

こんな風に優しく名を呼ばれたことなどない。

ならぱ、誰が俺を呼んでいるのか。

鬼となった今でさえ、人の時の名を呼ばれるなど……

いや、違う。

かつていたのだ。

俺の名を呼ぶ者が。

妻とは違う、何故か。

それは彼女が鬼だったからだ。

藤の花の屋敷に住まう美しい女鬼のことを……

黒死牟は今、思い出したのだ。

俺は彼女の名を知っている。

「白藤……」

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