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鬼滅の刃R18 藤の花嫁
第72章 邂逅、別離
彼女の少しひやりと冷えた手が俺の頬を撫でる。
「巌勝様によく似ていますね」
「兄弟ですから……」
「えぇ、そうですね……」
彼女の瞳から流れた涙が縁壱の頬にかかって伝う。
泣いている。
彼女の心が。
哭(な)いている。
「縁壱様。白藤と呼んで頂けますか?」
「白藤……」
分かっている。
彼と縁壱は違う。
分かっている。
巌勝はもう戻らないと。
「巌勝様………」
涙が止まらなかった。
縁壱の胸に縋りついて泣いた。
彼は白藤の頭を撫でてくれた。
優しく温かい手だった。
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