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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


「巌勝様。お早いお戻りを」

「あぁ。明日には戻る」

「はい」

彼女が人だったならば、あるいは……

いや、種族が違えども、想いが通じ合うなら……

目を閉じ、縁壱は強く願う。

巌勝と彼女にどうか幸あれと。

だが、その願いは、ある夜から断ち切られてしまう。

「あの、縁壱様。巌勝様がまだ戻られないのですが……何か知らせは……」

「すまない。俺も分からない……」

兄上、どこに居られるのですか。

彼女を置いてけぼりにするような男ではなかったではないか。

縁壱は必死に兄を探した。

東へ、西へ。

任務を遂行しながらも、巌勝を探し続けた。

「兄上………」

数日後。

御館様が殺された。

鬼の襲撃とされていたが俺には分かる。

あの傷口の裂け目は恐らく、兄上の斬撃によるもの。

俺はいつか、兄上と殺し合わなければいけないとその時、悟ったのだ。

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