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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


「兄上」

「何だ?」

「いつか一緒に……」

「すまない、聞こえなんだ……」

「いえ……何でもないです」

何となく気まずい兄弟を見て、白藤が縁壱に耳打ちする。

「以前より、二人でお話出来るようになりましたね」

そう言って彼女が嬉しそうに笑う。

まるで自分のことのように。

以前、俺が好いた娘はもっところころと表情の変わる人だったが。

藤姫もいつかそうなるだろうか?

彼女の表情の機微は分かりずらい。

だが、兄上と居る時は、少しだけ柔らかい雰囲気がするのだ。

「縁壱様?」

「あぁ、すまない。聞いていなかった」

「縁壱……」

「巌勝様。眉間に皺を寄せてはいけませんよ?本当に皺が付いてしまいますからね?」

「変なことを言うな」

「えぇー。あ、なら煉獄様をお呼びしますよ?」

「何故(なにゆえ)煉獄なんだ………」

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