第72章 邂逅、別離
でも、完全には不安は拭えない。
人は鬼から見れば、はるかに脆弱な生き物だ。
ふとすれぱ、その命の灯火(ともしび)を掻き消されてしまう。
だが、その危うさがあるからこそ、人の心は強くなり、折れない精神を持ち続ける限り人は進化を遂げる。
進化とはいえ、目に見える物だけが全てではない。
あらゆる事象にひも付けされた一筋の光明を。
見つけ出せるかが、鍵となる。
「霞の呼吸 伍ノ型 霞雲の海」
「緩急をつけた攻撃か。なかなかに良い技だ……月の呼吸 陸ノ型
常夜孤月・無間」
仕掛けた技は今のように倍になって返ってきてしまう。
どうすれば……