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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


「藤姫があやつを知っている以上、あやつが当時鬼殺隊にいた事は事実だという事だ……」

「じゃあ、時透様の事も……」

「事実なのだろうな。御館様のように、一族から鬼を出しているのだろう。ただ、『継国』が一度滅んでいるからこそ、呪いにかからなかったのかもしれん……」

「………」

『この傷はね、行冥。一族がかけられている呪いなんだよ』

昔、御館様から聞いたことがある。

何かの折に悲鳴嶼が尋ねたのだ。

どこか具合がよろしくないのかと。

そうして御館様が答えた。

呪いの事を聞いたのはその一度きりだったが、悲鳴嶼はその日のことをよく覚えている。

あの不思議な声音で隠されてしまう御館様の胸の内。

目の見えぬ悲鳴嶼にさえ、伝わってきた悲しみに似た感情を。

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