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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


「霞の呼吸 肆ノ型 移流斬り!!」

「ほう。霞か。視野を撹乱する良い技だ。ならば、こちらも抜かねば無作法というもの……」

ついに顕になった黒死牟の日輪刀であったであろう刀には、ギョロりとした眼球が幾つも並び、一言で異形と呼べる形容をしていた。

「月の呼吸……壱ノ型 闇月・宵の宮」

「聞いたことの無い呼吸だ……」

「あれは、あの方だけの型ですから」

「白藤?」

「縁壱様が日ならば、あの方は片割れの月……御自身もよく仰っておりました。義勇さん。不死川様。お願いでございます。どうかあの方を打ち倒して下さいませ」

「白藤よォ。それは時透に伝えるんじゃねェか?」

不死川の言葉に白藤は首を左右に振る。

「お二人だからこそです。遊郭で、私を助けて頂いた時のように、どうかあの方を止めて下さい。あの方の最後を私は見届けたいのです……」

「そんなに大事だったのかァ?」

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