第72章 邂逅、別離
「何だァ?ようやく、上弦に遭遇かァ?」
「不死川様……」
別の扉から不死川が出てきた。
白藤の表情がいつになく硬いことに気付くも、うまく声をかけられないので、目線だけで冨岡を探した。
だが、見当たらない。
何だ、あの野郎。
「どうしたァ?白藤。お前は鬼の前に立つな。冨岡の野郎は?」
不死川の声を聞いて、目を覚ました冨岡は隣に白藤が居ないことに気付き、支柱の影から姿を現した。
「…………っ。白藤!!離れるなと言っただろう!!」
「………すみません」
冨岡の様子を見るに現状を理解しているのは時透と悲鳴嶼さんだと理解したが、上弦がいる手前追求は出来なかった不死川である。