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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第71章 残荷、陽炎


白い雪の妖精のような女性だ。

恋雪は狛治に抱えられたまま、その女性を眺めていた。

彼女は狛治の言葉を聞いて恋雪に目線を移した。

藤色の瞳が自分へ向けられる。

不思議な感じがした。

初めて会ったはずの彼女に既視感のような物があったからだ。

彼女はゆっくり首を左右に振る。

あぁ、私はやはり助からないのだ。

『不殺の御子』という特別な存在にさえ、匙を投げられてしまった。



ごめんなさい、狛治さん。

ここまで沢山走ってくれたのに。



ごめんなさい、狛治さん。

貴方に私の最後を見せてしまって。



ごめんなさい、狛治さん。

貴方に絶望を与えてしまうことを、どうか許して。



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