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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第71章 残荷、陽炎


そして。

「………狛治さん」

血を吐きながら、恋雪が何かを伝えようとする。

「恋、雪……」

狛治はどうにも引きつった声音しか出せなくて。

彼女の弱々しい声が。

徐々に冷えていく彼女の命の灯火が、失われていくようで。

それをまざまざとつきつけられているようで。

「あり、がとう……」

「………っ…!!」

涙が止まらなかった。

何とか何かを伝えようとしても声には出来なかった。

ただただ咽(むせ)び泣く狛治の頬に恋雪が手を伸ばす。

「生き、て……」

「…………恋雪……」

狛治は愛しい彼女の名を呼ぶ。

悲しみに震えながら。

絶望に打ちひしがれながら。

白藤は屋敷の中から医師を連れて来たが、彼女はもう息を引き取っていた。

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