第71章 残荷、陽炎
猗窩座は焦る。
だが、と我に立ち返る。
アイツは、竈門炭治郎は。
強者に成長しつつある。
強い者の血肉を喰らうことこそ、俺の悦びだ。
ならば。
竈門炭治郎にはこの場で強者にするべきだ。
怒りがきっかけならば。
更なる怒りを起こさせればいい。
そう、あの日のように。
この場で、竈門炭治郎の目の前で、再び煉獄杏寿郎の息の根を止める。
「杏寿郎。腕を斬り落としたぐらいで悦ぶなよ?俺の頸を斬りに来い!近付けるならなぁ!!破壊殺・終式 青銀乱残光!!(あおぎんらんざんこう)」
「炎の呼吸 漆ノ型 焔の燐片(ホムラノリンペン)」
この技は乱れ突きに近い連撃。
最大五十連撃。
猗窩座の攻撃を防ぎ切れるか……
いや、やるしかない。
奴の頸は竈門少年が斬る!
俺はその為にコイツの攻撃を食い止める!!