第71章 残荷、陽炎
「「おぉぉぉぉっ!!」」
猗窩座と煉獄が死闘を繰り広げる。
煉獄さんが食い止めてくれている。
今しか隙はない。
集中しろ。
速く、鋭く、動くために。
炭治郎の心に焔が灯る。
やれる。
俺は長男だ!
「ヒノカミ神楽 斜陽転身」
頸を斬られた!?
竈門炭治郎に?
いや、まだだ。
頸を繋げば……
まだ、まだ、負けではない!
猗窩座が必死に頸を押さえ、繋ぎ直そうと試みていると。
ドスっ。
まさに死角から煉獄の刀が現われ、背後から猗窩座の頸を腕ごと斬り落とした。
「ガハッ」
「炎の呼吸 捌ノ型 月裏の日輪(ゲツリノニチリン)」
捌ノ型は暗殺に適した影討ちである。
「出来れば使いたくなかったが……」