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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第71章 残荷、陽炎


見極めろ。

そして、掴み取れ。

あれ?

何だろう。

視界が変わって見える。

これは何だ?

ドクン。

炭治郎の視界は初めてその映像を映し出した。

闘いの最中に見えた幻かとも思ったが、違うらしい。

猗窩座と煉獄の体の中が炭治郎には透けて見えている。

言わば、これは『透き通る世界』。

僅かな動きで生じる筋肉の緩みですら、その世界の視界でなら捉えられる。

この時、炭治郎の視界に変化が起きててきていたことに、まだ誰も気づいていなかった。

だが、変化が起きていたのは炭治郎だけでは無かった。

猗窩座の猛攻を必死に捌きながら、煉獄もまた強者との戦いに。

すれすれの命のやり取りに心が揺れた。

だが、これは喜びでも、悲観でもない。

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