第71章 残荷、陽炎
「前にも言ったが、猗窩座。俺とお前では価値基準が違う。何度でも言おう。俺は『鬼にはならない!』たとえこの場で命を落とすことになっても!!」
二人の技が速い。
何とか参戦したいのに……
入り込む隙がない。
煉獄さんも強くなった。
でも、上弦相手に……
ましてや前に殺されかけた鬼相手にどこまで保つか……
闘わないと!
俺も。
何か、糸口はないか?
闘いの突破口は……
そういえば前に、伊之助と話した。
殺気の話。
殺すと意識をすると、相手にもそれが伝わると伊之助は言っていた。
ならば殺すと意識をせずに動かなければ、気づかれる。
いつだって、鬼は強者に気を取られて弱者を無視する。
ならば、弱者だからこそ、出来ることもある筈だ。