第71章 残荷、陽炎
「猗窩座……!!」
「竈門少年、そう逸るな」
「煉獄さん……」
「杏寿郎、何か秘策があるのか?」
「あぁ。あの日の俺よりも強くなったぞ!!俺も。竈門少年もだ!!」
「煉獄さん」
でも、そうだ。
俺は、俺たちは強くなった。
あの日よりも。
「そうか。ならば二人でかかって来るが良い。杏寿郎の闘気があの日よりも跳ね上がっているのか、確かめてみたい」
不気味に笑う猗窩座。
「さあ、始めよう」
ドン!
「術式展開 破壊殺・滅式!!」
これは、あの時の!?
「竈門少年、退がれ!炎の呼吸 伍ノ型 炎虎・改 跳梁跋扈(チョウリョウバッコ)!!」
双頭の炎虎が猗窩座を目掛け、その場を蹂躙する。
「おぉぉぉ。素晴らしい。杏寿郎、やはりお前は選ばれた人間だ。『鬼になれ』そして共に戦おう」