第71章 残荷、陽炎
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「見つけたぞ琵琶の鬼」
鳴女の近くにやってきた伊黒は刀を構える。
「伊黒さん。私も戦うわ」
「甘露寺!?」
予期せぬ甘露寺の登場に困惑しつつも、伊黒は鳴女から目をそらさずにいた。
この鬼にこの無限城を操られている。
何とかして食い止めねば、無惨にたどり着けない。
「私があの鬼の動きを止めるわ!恋の呼吸 壱ノ型 初恋のわななき!!」
甘露寺の日輪刀がしなり、鳴女に向かっていく。
ベンっ!!
「へぁ!!」
扉が飛び出してきて、甘露寺が吹き飛ばされる。
「甘露寺!!」
「だ、大丈夫よー、すぐ戻るわー」
うー、恥ずかしい。