第70章 氷中の激情
あーぁ。
頸、斬られちゃった……
どうしよう、体を再生……
出来ない。
毒で細胞が壊死している。
あぁ、本当に終わっちゃったんだ。
俺、このまま死ぬのかぁ。
あー、でもやっぱり何も感じない。
死ぬことが悔しくもないし、負けたことが悔しくもない。
ずうっとこうだったなぁ、俺は。
実の親が死んでも悲しいとか寂しいとかほんの少しも感じなかった。
二十歳の時に無惨様に鬼にして貰えて百年以上生きてきたけど、結局。
人間の感情というものは、俺にとって余所事の夢幻だったなぁ。
「「地獄に落ちろ」」
でも、お腹いっぱい女の子を食べて、俺の止めも女の子がしてくれたんだから、良しとしなきゃかなぁ。
あぁ、そうだな、叶うなら。
しのぶちゃんともっと楽しくお話したかったなぁ。