第70章 氷中の激情
ゴゴゴ……
くそ、よりによってこんな大技……
誰かがこの大仏を止めなきゃならねぇ。
この部屋も崩れそうだ。
「このデカブツは俺が相手をする!」
宇髄は大仏目掛け、鳴弦奏々を放つ。
ドガガカッ!!
少しずつ、だが、確実に睡蓮菩薩の強度が落ちていく。
イける。
やるんだ、押し切れ!!
「苦しいんでしょう?認めたらどうですか?術の精度が落ちてきていますよ」
胡蝶は冷ややかな笑みを浮かべる。
「巫山戯るな!!」
「師範、下がって!!花の呼吸 終ノ型 彼岸朱眼!!」
「いけ!カナヲ!」
鬼の近くに来たら腕が凍り始めた。
ちっ、デカブツを放置出来ない。
「嘴平!上手くやれ!!」
いや、このままじゃ押し負けるか?
「獣の呼吸 思いつきの 投げ裂きィ!!」
回転を加えた伊之助の刀がカナヲの刃を押し込む。
ググッ。
首を斬る!!
ザシュ!!