第70章 氷中の激情
「楽しいねぇ、ずっと遊んでいたいな。飽きるまでは。でも、そうもいかなくなったみたいだから、君たちの相手はこの子にして貰うよ。血鬼術・結晶ノ御子」
「氷の人形!?」
「その子、俺と同じ威力の技が出せるんだよ。だから手強いよ。それじゃ、俺は次の部屋に行くか、ら……」
ドロ……
「何だ、コレ……」
皮膚が溶けた。
「効いたみたいですね」
「君の毒?さっき打ち込んだのは俺本体じゃなかったのに……?」
「気付いて直ぐにコレを貴方に打ち込みました」
「針?」
童磨の体に刺さっていたのは、縫い針よりもさらに細い針が太腿に二本、二の腕に三本。
「そう。爆煙や貴方の氷の血鬼術に纏わせて、貴方に打ち込んだ。藤姫の血清から作った藤の毒です」
「はは。動けないや……でも、俺もこのまま殺られる訳にはいかない……血鬼術・霧氷・睡蓮菩薩」