第70章 氷中の激情
「カナヲ……」
「師範の道は、私が作る!」
「ありがとう。カナヲ」
私の毒では無理でも、藤姫の……
白藤さんの血液から作ったこの毒ならば……
「姉さんの仇は私がとる!」
ズザッ!
「蟲の呼吸 蜈蚣ノ舞 百足蛇腹!!」
「同じ技を何度も……」
技はさっきと同じ。
でも、更に速い!
「地獄に落ちろ!」
「ガハッ!!」
童磨の顔色が変わった。
白い肌に紫色の斑点がポツポツと広がっていく。
「何、だ……これ、は……」
よし!
今回の毒は効いているようだ。
後は直接首を狙いに行く。
宇髄と伊之助が同時に動く。
「「はぁーーー!!」」
動きの止まった今が仕留める好機!!
「ぁ、が……」
童磨の指先が動くのを、カナヲは見逃さなかった。
扇が動くと思い、両腕を切り落としに向かう。
そう、だからこそ、誰も後ろに注意を向けていなかった。