第70章 氷中の激情
だが、カナエは言う。
「しっかりしなさい。泣くことは許しません」
でも、姉さん、私出血が酷いの。
内臓が傷つけられてしまっている傷もあるの。
「関係ありません。立ちなさい。蟲柱、胡蝶しのぶ」
「ヤベェな……」
宇髄は舌打ちした。
胡蝶の出血量が多い。
無理に動けば致命傷になり得る傷もある。
「おい、嘴平!アイツを胡蝶から引き剥がせ!」
「命令すんなよ、おっさん!」
ダダダダ………
「獣の呼吸 肆ノ牙 切細裂き!!」
「アッハハ!!滅茶苦茶な技だね」
よし、今だ!!
「音の呼吸 伍ノ型 鳴弦奏々!!」
伊之助と共に宇髄が波状攻撃をする。