第70章 氷中の激情
「氷!?」
「胡蝶、息を止めろ!!」
「……っ!!」
肺が凍りそうな冷気。
これ以上時間が経つと本格的にヤベェな。
何か無いか……
「ガッハッハッ!!」
部屋の外から聞こえるこの笑い声……
宇髄は唇だけ笑みを浮かべる。
いい時に来やがった。
「鬼が居んのは、ここかぁっ!!」
「嘴平!!」
「あ。音のおっさん」
「おっさんじゃねぇわ!」
「また増えたのー?」
童磨はからかうように声を上げる。
「蟲の呼吸 蜻蛉ノ舞 複眼六角」
「うわぁ、君。一段と速くなったね。でも君の突き技じゃ、鬼を倒せない。やっぱり首を斬らなきゃね。あぁ、でも無理かなぁ?君小さいから」
そう、私にもっと上背があれば。
鬼の首を直接斬れたら……