第69章 向かう先に
「お前も大概しつこい女だな、珠世。逆恨みも甚だしい。お前の夫と子供を殺したのは誰だ?私か?違うだろう、他ならぬお前自身だ!お前が喰い殺したんだ!」
「そんなことが分かっていれば私は鬼になどならなかった!!病で死にたくないと言ったのは!!子供が大人になるのを見届けたかったからだ……!!」
「その後も大勢殺したでは無いか」
「そうだ。自暴自棄になって大勢殺した、その罪を償う為にも、私はお前とここで死ぬ!!」
珠世の言葉を合図に、再度大きな爆発が起こり、その爆煙の中から現れた悲鳴嶼が己の日輪刀を振るう。
そうだ、彼女が、珠世が鬼舞辻を抑えてくれている間に、止めを刺さなければ。
悲鳴嶼と同時に再度煉獄と冨岡が技を放とうと足に力を溜めた時だった。