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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第69章 向かう先に


ベン、ベベン!!

琵琶の音が再度響く。

無惨の後方に一人の男が現れる。

無限城から出てきたということはアイツも鬼……

無惨を仕留めに行った冨岡と煉獄の意識がほんの一瞬ズレる。

無惨はそれを見逃さなかった。

双方の技を受け、結晶を削り、無惨は数本の結晶を取り込んだまま、体の自由を取り戻す。

「無惨が、あの包囲から抜け出しやがった!!」

宇髄の驚きにも頷ける。

まさか、あの状態から動けるようになるとは思っていなかった。

だが、それも計算の内だった様に、静かに無惨に迫った者がいた。

グサッ。

「っ……」

無惨の懐に刃を突き立てたのは、意外な人物だった。

「……珠、世…」

目眩しの術を使って私に近づいて来たのか!?

「今、お前に注射したのは、鬼が人に戻る薬よ。お前が無力化できるなら、私は何だってやってやるわ……」

「珠世様……」

「お前は前に出るな、白藤」

「ですが、宇髄様」

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