第69章 向かう先に
「逃がさないよ、無惨……」
「今よ!!」
ドゴォン!!
轟音と共に無惨に爆薬を撃ち込む宇髄の嫁たち。
どうやら、天元の命で三人は本部につめていたらしい。
次々に放たれる爆撃が無惨の体を焼く。
「ぐっ……産、屋敷ぃ……!!小賢しい真似を……!!」
燃えたぎる爆炎の中、それでも無惨は立っていた。
そんな中、鬼殺隊が、柱が中心となって集まってくる。
さすがの無惨も分が悪いと悟ったのだろう。
鳴女の血鬼術で呼び寄せた無限城に避難しようと体の再生を速めようとした時だった。
無惨の周りに、いくつもの肉の種子がばら撒かれる。
この場にいる鬼は逃れ者の珠世だけのはず……
だが、何だ?
この違和感は。
この場に私が認識していない鬼がもう一人いる。