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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第69章 向かう先に


「下らぬ…お前の話には辟易する…」

「この千年、鬼殺隊は無くならなかった。可哀想な子供たちは大勢死んだが、決して無くならなかった。その事実は君が………下らないと言った人の想いが不滅である事を証明している……」

御館様の言葉が静かに響く。

「君には理解できないだろうね、無惨。なぜなら君は…君たちは…『君が死ねば全ての鬼が滅ぶんだろう?』空気がゆらいだね……当たりかな?」

「黙れ」

「うん、もういいよ。君に言いたいことは言えた。最後に……ゴホッ。一つだけいいかい?」

噎せながら、御館様が続ける。

「私自身はそれ程重要では無いが、私の死が『無意味』なわけではない。私は幸運なことに今の柱たちから慕ってもらっている。つまり、私が死ねば今まで以上に鬼殺隊の士気が上がる……」

「話は終わりだな?」

「あぁ、こんなに聞いてくれるとは思わなかった……ありがとう、無惨…」

不味い。

俺一人で無惨を無力化させることは無理だろう。

だが、何か……

やるしかない。

冨岡が刀に手をかけた。

と、同時に。

「カァー!!」

一羽の鎹鴉の鳴き声が響く。

「来たね……」

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