第69章 向かう先に
「御館様は無事か!?」
「はい!」
冨岡の問いかけに白藤が答える。
「耀哉様!」
「あまね様!?」
先に飛び出して来たのは、あまね様だった。
「お気持ちは分かりますが、今は離れないで頂きたい!」
冨岡が続けて前に出る。
「義勇さん。ご無事で……」
冨岡とあまねの姿を見たことで、多少なりとも白藤も安堵する。
「まあ、そう身構えるな。今日の私は産屋敷、お前に挨拶に来ただけなのだから」
「君は知らないかもしれないが……君と私は……ゴホッ」
「醜いな、産屋敷……お前からはすでに屍の匂いがするぞ」
「そうだろうね。半年も前には…医者から…数日で死ぬと言われていた…それでもまだ…私は…生きている…」
「……興醒めだ。産屋敷、お前は生き汚い。無様な人間だよ。だから私が直接手を下してやろう」