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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第69章 向かう先に


ハッタリか?

もし本当なら御館様はどうなって……

「悪いが私も部下を沢山失ってね……忌々しいあの子供……竈門炭治郎に関わる人間を私は殺す」

距離を詰めてくる鬼舞辻に対して冨岡は動けない。

気圧されてしまっているからだ。

だが、冨岡も止まってばかりではいない。

動け!

心の内で己を奮い立たせる。

鬼舞辻は鬼の始祖。

蔦子姉さんを、錆兎を、殺した……

言わば、宿敵。

「返せ……」

振り絞った声は、聞いたことがないほど掠れていた。

「姉を……朋友(とも)を、返せ…… 」

「………人間は皆、同じ事しか言えないのか?……とうに死んだ人間を、返せるはずが無いだろう!」

「鬼舞辻、貴様!」

怒りで拳が震えた。

そうだ、それでいい。

動くんだ!

動いて、あまね様を鬼舞辻から遠ざける!

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