第68章 リクエスト 現パロ 二人の家元$
「白藤。遅かったな。何かあったか?」
「……ううん」
何で義勇くんなんだろう。
でも、私は本当に実弥くんが好きだった?
それ以前に私は『好き』っていう気持ちが何か、理解してない。
何が違うか分からない。
だって……
「白藤。顔色が悪いぞ?」
「義勇くん……」
「保健室に行くか?」
義勇くんに手を握られる。
「大丈夫……」
でも、何だろう。
ちょっとだけ、鼓動が跳ねた気がする。
「鋏は気をつけて使え……」
「う、うん……」
同級生でも義勇くんの教室に通ってる子も華道部に何人か居て……
「冨岡先輩ー。ここどうしたらいいですか?」
「あぁ、そこは葉も一緒に使った方がいい」
「え?葉っぱですか?」
「あぁ。彩りも映えるぞ」